群青の月
柚葉は短くなったタバコを灰皿に押し付けた後、小さなため息を落とした。


「わかった」


「え?いいのか?」


正直、承諾して貰える確率の方が少ないと思っていたから、すかさず確認してしまった。


目を見開く俺に頷いた柚葉が、ゆっくりと視線を合わせて来る。


「但(タダ)し、あたしの都合がいい時だけだから。後、ここに来るのは夜だけ。時間は……今日と同じくらい。これが絶対条件」


少しの間、沈黙が俺達を包んだ。


出来る事なら、今は柚葉の時間を朝から晩まで欲しいと思った。


だけど…


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