群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
冬夜と出会った日から、あたしは毎晩彼の家に通うようになっていた。
あたし達は友達なんかじゃないし、ましてや恋人でも無い。
ただお金で繋がっているだけの、不可思議な関係。
三万円も払ってあたしを買い、何度も一緒に眠っているくせに一度も体を求めて来ない冬夜に、猜疑心ばかりが強くなる。
だけど…
体の関係が無いのは、あの行為に毎回吐き気がする程の嫌気が差していたあたしにとっては、本当に好都合だった。
だから言うまでも無く、冬夜の事を徹底的に利用してやろうと思っていた――…。