群青の月

冬夜は当たり前のようにあたしが吸っていたタバコを咥え、短くなった残りのそれを味わっている。


決して甘い雰囲気が漂うような関係じゃない、あたし達…。


それなのに、こんなやり取りも見慣れてしまった。


だけど…


あたしは冬夜と馴れ合うつもりは更々(ｻﾗｻﾗ)無いし、あくまで彼を利用しているだけ…。


もちろん面倒だと思う事もたくさんあるし、素性のわからない冬夜に対して猜疑心が強くなっていく事も否(ｲﾅ)めない。


それでも、体を差し出さずにお金が手に入るなんて、他の人では有り得ない事だから…。