群青の月
ふと冬夜を見ると、ベランダのガラス扉の前で街を見下ろしていた。


眉を寄せている彼の横顔は、やっぱりどこか悲しげだって思う。


だけど…


あたしには、冬夜に何があったのかはもちろん、彼がどんな事を考えていたって全く関係が無い。


例えば、もし冬夜が今から自殺をしようとしたとしても…


あたしはあの時と同じように彼を止める事も無く、きっとこの場から立ち去ってしまうと思う。


あたしにとって、冬夜は本当にその程度にしか思えない存在で、あくまでただの金蔓(カネヅル)でしか無いから…。


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