群青の月
柚葉が戻って来るのを待ちながら、興味も無いバラエティー番組に視線を遣っていた。


だけど、あまりにもつまらなくて、リビングのドアを何度も見てしまう。


出会ってからまだ数日しか経っていない柚葉の事を、俺はいつだって待っている気がする。


心に抱いているのは恋愛感情なんかじゃなくて、ただの打算が生んだ歪(イビツ)な感情…。


それでも金銭的な事で解決出来るなら、俺の気が済むまで柚葉の時間を買い続けたいと思っていて…


そんな自分自身に呆れる反面、彼女と一緒にいる時は虚しさを忘れられる自分に苦笑が込み上げて来た。


< 186 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop