群青の月
「柚葉、次はいつ来れる?」


「……さぁね」


身支度を整えたあたしは、玄関先で冬夜に背中を向けたままポツリと答えた。


背後で落とされたため息が、静かな空間に響く。


「お前、何怒ってるんだよ?」


「別に怒ってないし……」


「いや、どう見たって不機嫌だろ……。あっ、さっきのゴールデンウィークの話が気に障(サワ)ったか?」


冬夜の話を無視してブーツを履いて、ドアノブに手を掛けながら振り返る。


「……じゃあね」


「俺の話は無視かよ……。まぁいいよ、また連絡するから」


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