群青の月
便利だと思ってずっと当たり前のように使って来た物に振り回される事になるなんて、今までは考えてもみなかった。


仕事人間だった俺にとって、携帯は必需品だったし、いつも肌身離さず持っていた。


だけど…


そのせいでこんなにも歯痒い思いをするなんて、バカバカしくて嘲笑さえ込み上げて来る。


柚葉はきっと、もうここには来ないつもりなんだろう…。


それをわかっていても尚(ナオ)、自分(オレ)が彼女に会いたいと思う理由がわからない。


最初は、ただ利用するだけのつもりだった。


それなのに…


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