群青の月
それなのに…


会いたくて、会いたくて堪らない。


金銭だけで繋がっていた関係に縋(スガ)ろうとするのは、きっともう柚葉自身を求めているって事…。


そして…


同時に、柚葉に対して契約者以上の感情を抱いているんだって事を、どんな言葉よりも雄弁(ユウベン)に語っているんだろう…。


適当に利用するだけのつもりだった。


だけど…


「どこまでバカなんだよ……」


もうそれだけじゃ済まされないって事を自覚した途端、やり場の無い感情が心を支配し始め、自分自身を戒(イマシ)めるような言葉がポツリと漏れた――…。


< 208 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop