群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
冬夜とはもう会わないと決めて彼の家を後にした日から、ちょうど1週間が過ぎた。
相変わらず1日に何度も鳴る携帯は、その度に冬夜の名前を表示している。
そんな時は、決まって憂鬱な気持ちが一気に湧き出して…
同時にため息が漏れる事がわかっていながらも、何故か彼の番号を着信拒否する事が出来ない。
どうしよう……
冬夜にはこのまま何も言わずに、彼との関係をフェードアウトするつもりだった。
だけど…
ほんの少しずつではあるけど、その考えに確かな迷いが生(ショウ)じ始めていた――…。