群青の月
怒鳴られた事くらいでは、もう動じたりはしないけど…


それでも、無意識のうちにため息は漏れてしまう。


「だから何なのよ、その顔はっ!!文句でもあるのっ!?」


「別に……」


「だったら、早く金を出しなさいっ!!アンタは黙って、私の言う通りにしてたらいいんだからっ!!」


投げやりなあたしに、怒鳴り声が飛んで来る。


「私はアンタの母親なのっ!!アンタみたいな奴を今まで育てて来てやったんだから、さっさと言う通りにしろっ!!」


ヒステリックに怒鳴り散らす相手を無視して、バッグから財布を出した。


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