群青の月
ふと、散乱しているビンから零れた日本酒が、キッチンの真下のフローリングを濡らしている事に気付く。


仕方なく、傍に置いてあったタオルでそこを拭いた。


食べ散らかしたままの部屋に、住む為のスペースなんて無い。


8帖分のスペースのあちこちに、さっきまで母が飲んでいたアルコールの缶やビンが転がっている。


あたしはやり場の無い感情を押し込め、散らかった部屋を片付け始めた。


「マジで何なの……」


どうして、あんな人が母親なの……?


こんな時はいつも、そんな思いが心を支配していた――…。


< 214 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop