群青の月
そのうち、堕胎(ダタイ)手術が出来る期間が過ぎてしまって…


母が病院に行った時には、もう産む以外の選択肢が無かった。


望んでもいない妊娠をした上、お金が無かったせいで働かない訳にはいかない現実。


悪阻(ツワリ)が酷い時は、スナックで働く事が難しくて…


その日の食べる物にすら困る日々の中で、いつしか母はスナックの客を相手に体を使うようになった。


そして…


あたしを産む前にスナックを辞め、その後は体だけを使って稼ぐ事にして、そうやって何年も生計を立てていた。


だけど…


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