群青の月
友達とか同僚とか、在(ア)り来(キタ)りな関係なら良かったと思う。


尤も、そんな関係性なら、柚葉にこんな感情を抱く事は無かったのかもしれないけど…


少なくとも、やり場の無い想いをこんな形で持て余す事も無かったはずだ。


「どうしてあいつなんだよ……」


女なんて、他にもたくさんいる。


柚葉じゃなくてもいいじゃないかと、自分自身に言い聞かせようとするのに…


寝ても覚めても追い求めるように考えているのは、彼女の事ばかり…。


そして…


その理由は、もう自分自身が一番よくわかっている。


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