群青の月
「……っ!先にシャワー浴びて!」


咄嗟に離れて震えそうになる唇でそう言うと、男は面倒臭そうに眉を潜めた。


「俺、時間は無駄にしない主義だから。それに、それなりの金払うんだから、俺の好きにさせろよ」


途端に冷たい態度を見せた男が、強引にあたしの服を脱がせていく。


「ちょっ……!」


「大人しくしてろ。金が欲しいんだろ?」


男は抵抗しようとしたあたしをソファーに押し倒し、蔑むように口元を緩めながら見下ろして来た。


あたしは返す言葉を見付けられずに、ゆっくりと全身の力を抜いていった。


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