群青の月
結局、何も口にしようとはしなかった柚葉に水だけでも飲ませようと、ミネラルウォーターのペットボトルを押し付けた。


さすがにそれは素直に受け取った彼女に、ほんの少しだけ安堵する。


だけど…


柚葉の顔色は優れないままで、体調が悪い事は一目瞭然だ。


「……なぁ、何かあったんだよな?」


悩んだ末、ただ体調が悪いだけじゃないような気がして、控えめに訊いてみたけど…


予想通り、柚葉は何も答えようとはしない。


俺は沈黙が続く中で意を決し、彼女を真っ直ぐ見つめながら口を開いた。


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