群青の月
「再契約、しないか?」


俺の問いに顔を上げた柚葉が、目を見開いている。


その表情の真意は、俺にはわからなかったけど…


すぐに拒否されない事に、ほんの微かな希望の光が見えた気がした。


「契約の条件は、前と同じで……。もしそれが不服なら、もちろんお前が全部決めてもいいよ」


柚葉と会えなかった時に考えていた事を話すと、彼女が僅かに眉を寄せた。


「……どうして?」


「ん?」


「あたしは、アンタの前から黙っていなくなったんだよ?それなのに、何でそんな事考える訳?」


< 252 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop