群青の月
少しの間様子を窺っていたけど、柚葉は些細な抵抗も見せなくて…


その状況に甘えるように、彼女の体をゆっくりと腕の中に閉じ込めた。


胸元に感じる柚葉の体から、彼女の体温が伝わって来る。


その温もりが嬉しくて堪らないのに、何故か胸の奥がギュッと締め付けられて、泣きたくなってしまった。


それでも、柚葉の体温を感じられる事への喜びを噛み締める。


締め付けられた胸の奥にまで、彼女の温もりが届いて来る気がして…


いつの間にか抱いていた苦しさが消えて、心がゆっくりと穏やかになっていった。


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