群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
「ん……」
閉じた瞼に当たる光が眩しくて、眉をキュッとしかめる。
そっと目を開けると、ぼんやりとした視界の中に冬夜の顔があった。
その事に驚いて目を見開いた後すぐに、頭が一気に冴えた。
そんなあたしの様子を見ていた冬夜が、あたしの心の中を悟ったかのようにフワリと微笑む。
「おはよ。って言っても、もう昼過ぎなんだけどな……」
彼は苦笑しながらそう言った後、優しい表情であたしを見つめたまま続けた。
「顔色も悪くないし……。とりあえず、もう大丈夫そうだな」