群青の月
そんな状況に陥った中、冬夜と再会した。


そのせいで、あたしは不覚にも“運命”なんてものを信じてしまいそうになった。


だけど…


今になってよく思い返してみると、あの男に連れて行かれたホテルはこのマンションの近くだった。


だから、あのホテルから程近い場所にあるコンビニに入ったあたしが冬夜と再会したのは、別に不思議な事なんかじゃない。


それなのに…


昨夜の自分(アタシ)は、そんな事に気付く余裕すら失くしてしまっていた。


だから、浅はかな頭が勝手に“運命”って言葉を思い浮かべていたんだ…。


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