群青の月
思考回路が停止する寸前の朦朧とした頭と、思うように動かせない体…。


その二つを持ち合わせていたあたしは、冬夜を見たあの時、心の中にほんの少しだけ安堵感を抱いていた。


それはきっと、自分ではどうしようもないくらいに切羽(セッパ)詰まっていたからだって、確信出来ている。


だって…


今はどうしてコンビニに入ったのかすら思い出せないくらい、あの時は本当に意識が朦朧としていたから…。


ただ…


正直に言うと、冬夜の顔を見た時に一瞬だけ意識がハッキリとした事は、どうしても否めないんだけど――…。


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