群青の月
レジで会計を済ませて外に出た時、一足先に店を出ていた柚葉にまた苦笑が込み上げて来る。


「お前はどこまでヘビーなんだよ……」


「吸わないとイライラするの」


「気持ちはわかるけど、ちょっとくらいは控えろって」


「耳にタコ……」


ブスッとしながら呟いた柚葉が、すぐ傍にあった灰皿にタバコを捨てた。


「ほら、帰るぞ」


見上げた空からは、雨滴が落ちて来る事は無くて…


さっきまでの大雨が嘘のようにオレンジ色の夕陽が輝いている空に、やっぱり振り回されている気がしていた。


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