群青の月
お金を受け取った母は、途端に機嫌が良くなった。


笑顔になった母が上機嫌でお札に口付けたかと思うと、今度は携帯を取り出して誰かに電話を掛け始めた。


「あっ、もしもし〜!遅くなってごめんね?今、やっとお金が入ったからさぁ〜!うん、そうなのよ〜」


機嫌がいいんだって事は、目に見えてわかるけど…


目の前の光景に苛立ちが募って、反吐が出そうになる。


母の心の中にあるのは、いつだってお金と男の事…。


“柚葉(アタシ)”と言う存在がそこに入る事は、どんな時だって絶対に有り得ないんだ…。


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