群青の月
例えば…


母に対する感情もこんな風に流れていってくれるのなら、あんな理不尽な母親の事で苛立たなくても済むのかもしれない。


そしたら、あたしは今よりも少しくらいは楽しい人生を送る事が出来るのだろうか…。


街に出て周りを見渡せば、そこにいる人達は楽しそうにしていて…


“普通に笑う”と言う事すら忘れてしまった自分(アタシ)には、それが繕われた仮初めの笑顔だったとしても羨ましいとすら思ってしまう時がある。


どうして、あたしだけ……


そして、時々そんな事を思っては、泣き出してしまいたくなるんだ――…。


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