群青の月
「てか、お前……未成年じゃねぇの?」


「あぁ、確かに19だけ……あっ!」


俺の質問に答え掛けた女は、その途中でハッとしたように目を小さく見開いた。


「何?」


「あたし、今日で二十歳(ハタチ)だ……」


女の言葉を聞いて、今度は俺が目を見開いてしまった。


誕生日にこんな出会い方をするなんて、ただの偶然だとは思えない。


「マジ……?」


「……まぁね。さっき日付変わったからさ」


驚く俺の事なんて気にも留めずに、冷めた表情に戻った女が小さなため息をついた。


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