群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
「暑……」
アスファルトをジリジリと照り付ける太陽を睨むように空を仰ぐと、その存在を主張するかのようにギラギラと光を放っていた。
梅雨が明けたのかどうかもわからないけど、ここ数日はずっとこんな天気で。
何度も目眩を起こしてしまう程の暑い日々に、苛立ちが募っていった。
真っ昼間の街は人でごった返していて、その中を歩く事すら億劫に感じる。
そして…
その賑やかさのせいで、体感温度が高くなる気がしてしまう。
あたしはやり場の無い苛立ちを抱いたまま、ダラダラと歩いていた。