群青の月
『言いたくないなら話さなくていい』


何も話して貰えなくても納得した振りをして、建て前だけでそんな台詞を吐く日々。


だけど…


内心では、理由を話さない柚葉の事を心配する気持ちが苛立ちに変わってしまう程、とにかく焦れったくなっている。


そのせいで、彼女にも八つ当たりをしてしまいそうになる時もあった。


それでも、俺と柚葉は今も、脆い契約だけで繋がっているだけで。


彼女にとって、俺はあくまで仮初めの時間を買っている“契約者”でしか無い。


それをわかっているからこそ、詮索は出来なかった――…。


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