群青の月
「あっ!」


不意に屋上に来る前の事を思い出した俺は、声を上げてすぐに立ち上がった。


「……いきなり何なのよ?」


眉を寄せた女が、怪訝そうな表情で俺を見る。


「せっかくだから、誕生日パーティーでもするか」


「はぁ?しないから」


女はさっきよりも怪訝な表情になって、更に眉を寄せたけど…


「まぁいいじゃん、せっかくだし」


それを気にも留めずに、ニッと笑って返した。


それからフェンスに駆け寄り、地面に置いたままにしていたコンビニの袋を持った後、女の隣に戻って座った。


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