群青の月
夜になってバイトに行く柚葉を見送りながら、彼女を引き止めたいと思う気持ちを必死に押さえ込んだ。


顔色は昼間程は悪くないけど、体調はあまり良さそうには見えない。


「たまには休めよ……」


我慢出来なくなって思わず小さく零すと、ため息をついた柚葉が振り返った。


「そうしたくても、生活が懸かってんの」


「1日くらい……」


「あのさぁ……」


そこまで言った俺を、柚葉がグッと睨んだ。


「あたしには、仕事をしないで生きていける程の貯金なんてないから。……アンタと違ってね」


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