群青の月
求人広告をゴミ箱に捨てた後、キッチンに行って冷凍庫を開けた。


その瞬間、最初に目に付いたのは柚葉が好きなアイスで…


彼女を思い出してフッと笑みを零し、その直後にはやっぱり寂しさを感じた。


取り出した冷凍ピラフを電子レンジで温め、用意した水も一緒に持ってソファーに戻る。


静かな部屋で食べるそれは、あまりにも味気が無かった。


柚葉がいたって話が弾む訳じゃないし、むしろロクな会話もしない。


だけど…


柚葉と同じ空間にいる事だけでもどれだけ心が満たされるのかを、俺は痛感していた――…。


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