群青の月
「アンタ、後二〜三人くらい客取れば?」


「え……?」


「そしたら、初めての時と同じくらいの額になるし。その方がいいじゃない」


目を見開くあたしを見ずに鏡に向かう母は、まるで談笑するようにそんな事を話していて…


「何ならさぁ、飢えてそうな男、何人か紹介してあげてもいいわよ?すぐに紹介出来るし」


悔しさに似たような感情が体中を駆け巡って、持っていたポーチをグッと握った。


ガチャリと鳴った中身が、手の平を刺すように当たる。


あたしは声が震えそうになるのを堪えながら、ゆっくりと口を開いた。


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