群青の月
情けなさと悔しさで言葉に詰まったあたしを、母が更に畳み掛ける。


「それとも何!?アンタは私に感謝の気持ちもない訳!?だから、恩も返さないって事!?」


「な、何よ、それ……」


声を振り絞るように呟くと、母が目くじらを立てた。


「何!?言いたい事があるなら、ハッキリ言えば!?」


まくし立てる母の顔は、正に“鬼の形相”って言葉がピッタリだった。


「本当にイライラさせるんだから……」


あたし、どうしてこんな人の子供なの……


苛立つ母を見ながら、心の中が冷や水を浴びたように冷めていった。


< 384 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop