群青の月
狭い部屋を、今程恨んだ事は無い。
目の前の男を避ける事さえ出来れば、その向こうには玄関のドアがある。
それなのに…
狭い部屋では逃げる事は疎(オロ)か、男を避けるスペースすら無い。
「大人しくお利口にしてたら、ちゃんと優しくしてやるよ?」
舌舐めずりをしそうな勢いで嫌らしく笑った男に、背筋がゾクリとした。
「やっ……!」
あたしに向かって伸びて来た腕をバッグで払い退け、咄嗟に傍にあった物を手当たり次第に投げた。
「うわっ……!おいっ、止めろっ!!」
その後はもう、無我夢中だった――…。
目の前の男を避ける事さえ出来れば、その向こうには玄関のドアがある。
それなのに…
狭い部屋では逃げる事は疎(オロ)か、男を避けるスペースすら無い。
「大人しくお利口にしてたら、ちゃんと優しくしてやるよ?」
舌舐めずりをしそうな勢いで嫌らしく笑った男に、背筋がゾクリとした。
「やっ……!」
あたしに向かって伸びて来た腕をバッグで払い退け、咄嗟に傍にあった物を手当たり次第に投げた。
「うわっ……!おいっ、止めろっ!!」
その後はもう、無我夢中だった――…。