群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
ゴロゴロと唸(ウナ)るように鳴り始めた空が、もうすぐ降り始める雨の存在を知らせる。
あたしはベッドの中でぼんやりと過ごしながらも、そんな音には反応していた。
「柚葉。飯、出来たけど……」
ベッドルームに入って来た冬夜が、あたしをリビングに促す。
だけど、彼は動こうとしないあたしを見兼ねて、あたしの体を抱き上げた。
動く事すら億劫だと感じる人形のような生活を送る自分自身の事を、内心ではすごく情けないとは思っている。
それなのに…
もう、何もする気になれないんだ――…。