群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
「……おはよ」
そう言って微笑む俺を、柚葉は真顔のまま見つめていた。
真っ直ぐな視線に照れてしまいそうになるのは、きっとすごく不謹慎な事なんだと思う。
それなのに…
不謹慎な気持ちを上手く消せない俺は、やっぱり心のどこかで恥ずかしさを抱いていた。
「……腹、減らないか?」
さりげなく柚葉から離れたのは、彼女を抱き締めたままの体勢だと疚(ヤマ)しい情欲を隠し切れなくなりそうだったから…。
そんな自分を情けなく思う今日は、あの日から4日が経った朝だった――…。