群青の月
柚葉を見付けた時、彼女からただならぬ雰囲気を感じながらも、心底ホッとしていた。


俺を導いたのは、人か月か…。


今になって思うのは、あの時の自分(オレ)は確かに淀んだ夜空に浮かんだ三日月に導かれた気がする、って事。


バカみたいだと思われるのなら、それでも構わない。


だけど…


柚葉と出会った日に見た、綺麗な空に浮かんだ朝の月。


そして、彼女の元に導くように夜空に姿を見せていた、あの三日月。


俺達は月で繋がっているんじゃないかと思える程、それは何だか運命的なようにも思えたんだ――…。


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