群青の月
戸惑いながらも、冬夜の瞳からは逃げられない気がして…


息を小さく吐いた後、ゆっくりと唇を動かした。


「最初の2日間は、本当に話せなかった……」


これは、本当の事…。


あの日、冬夜に見付けられた後から言葉を発する気力が無かったのはもちろん、話そうとしても声が出なかったんだ…。


今まで声が出ない事なんて無かったから、最初はすごく驚いた。


だけど…


何も考えたくなかったあたしは、その事に気付かない振りをして思考回路を閉じる事で、息苦しい現実から逃げようとしたんだ…。


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