群青の月
「何も話したくなかったから……黙ってた……」


そこまで話して、黙り込んだ。


冬夜の表情が読めなくて、体が震え出してしまいそうになる。


不意に心に芽生えた不安を、あたしは必死に隠していた。


少しの間黙っていた冬夜は、肩の力を抜くように息を吐いたかと思うと、安堵を滲ませた笑みを浮かべた。


「良かった……」


「え?」


その言葉に驚くあたしに、冬夜が穏やかな表情のまま続ける。


「お前、これからもずっと話さないんじゃないかと思ってたから、ちゃんと話してくれて安心したよ……」


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