群青の月
仕事人間だった俺は、いつだって一生懸命だった。


そんな風に言えば、聞こえはいいかもしれない。


だけど…


悪く言えば、サイボーグみたいだったとも思うんだ。


自分の事が一番で、思いやりなんて忘れてしまっていて。


そんな自分(オレ)だったからこそ、きっと元カノにも愛想を尽かされてしまったんだろう…。


今ならよくわかる、過去の自分(オレ)の事…。


今度はもう、失敗しないけどな……


自分自身に言い聞かせるように心の中で呟いた後、柚葉の体をそっと抱き締め直した――…。


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