群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
頭頂部にヒシヒシと感じる視線に比例するように、後悔の念が大きくなっていく。
朝方になって目を覚ました時、体を包む腕に突然戸惑いを感じた。
そして、上がっていく脈拍に酷く動揺してしまって、頭で考えるよりも先に冬夜を叩き起こしてしまったんだ…。
苦しくも無いのに、体が苦しいからと強引に理由を付けて、冬夜に離れるように促したのに…
彼は急に笑い出し、挙げ句の果てにはまたあたしを抱き締めた。
あたしはもちろん眠れる訳が無くて、同じく眠れないらしい冬夜の視線をさっきから嫌と言う程に感じている――…。