群青の月
「じゃあ、またトーストと卵だな」


悪戯な笑顔を見せた冬夜に、心のどこかでホッとしていた。


行きたくないと答えたのは、外に出るのが億劫だから…。


結局、あたしは話をするようになっただけで、それ以外は何も変わっていないのかもしれない。


そんな気持ちを抱えながら、冬夜を追うようにしてリビングに行った。


すると、キッチンを漁っていた彼が、眉を寄せてあたしの傍に来た。


「ちょっとそこのコンビニ行って来る」


「え?」


ソファーに身を預けていたあたしは、冬夜を見上げた。


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