群青の月
「食材が切れたんだよ。ほら、俺もずっと引きこもってたからさ」


冬夜の話を聞いて、そういえば、って思った。


あの日からずっと、彼は必要以上にあたしの傍から離れなかった。


自分の事で精一杯だったから、今になってその事に気付いた。


同時に、いつでも目の届くような距離にいてあたしの事を見ていてくれたんだって事を、改めて自覚する。


「一緒に行くか?」


その質問に悩んだのは、一瞬の事…。


どうするのかを考える前に一人になるのは嫌だって思って、あたしは冬夜と一緒に買い出しに行く事に決めた。


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