群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
暗い顔でアイスコーヒーを飲む冬夜は、さっきから一向にあたしの方を見ようとはしない。
こんな風に微妙な空気が流れるようになったのは、数日前から…。
あたしが話すようになった翌日、冬夜は契約金の三万円を渡そうとして来た。
もちろん、それは今までのあたし達ならごく普通の流れだし、別に不自然な事じゃない。
だけど…
あたしはどうしても受け取る気にはなれなくて、さっきみたいに断った。
そして、それからも毎日このやり取りを繰り返していて、その後には必ず微妙な空気が漂うようになった――…。