群青の月
塞ぎ込むようにしていたあたしの頭に伸びて来たのは、温かい優しさを持った大きな手。


ピクリと反応して隣を見ると、冬夜が少しだけ心配の色を含んだ笑みを浮かべていた。


「どうした?体調でも悪いのか?」


「別に……」


ぶっきらぼうにしか返せない自分が、何だか嫌になる。


こんな態度を取りたい訳じゃない。


だけど…


どうすればもっと上手く接する事が出来るのかなんて、あたしにはわからない。


そんなあたしを見ながら冬夜が口を開き掛けた時、それを邪魔するように携帯が鳴り始めた。


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