群青の月
「……柚葉?」


予想通りベッドルームにいた柚葉は、ベッドの上で体を丸めるようにして横になっていた。


「どうした?気分でも悪くなったか?」


肩に触れようと恐る恐る手を伸ばすと、彼女がそれを拒むように更に体を丸めた。


俺が近付く事を全身で拒否されたんだって思えて、胸の奥がズキンと重く痛む。


触れられない程に遠いのは、きっと体じゃなくて心の距離だ…。


ほんの僅かに開いてくれ始めたと思えていた、柚葉の心。


だけど…


今はまた、柚葉の心が閉じてしまった事を静かに痛感していた。


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