群青の月
いつも考えているのは、“どうすれば近付けるのか”って事ばかり…。


柚葉の心の中に少しでも入り込みたくて、ずっと彼女の事を見て来た。


だけど…


背中を丸める柚葉を見つめていた俺は、ただ自分本位なだけなんだって事に気付いた。


そんな事ばかり考えているから、いつまで経っても彼女に近付けないのかもしれない。


そして…


柚葉の背中を見つめながら、ふと思ったんだ。


必要なのは、彼女の様子を窺うような事なんかじゃなくて…


まずは自分自身が心の内を曝け出す事なんじゃないか、って…。


< 477 / 1,000 >

この作品をシェア

pagetop