群青の月
◇Side‥柚葉
【Side‥柚葉】
「……話があるんだ」
そんな風に切り出されたのは、真夜中のベッドの中。
冬夜は、いつもみたいにあたしを抱き締める訳でも無く、ずっと遠慮がちに横になっていた。
「何も言ってくれなくてもいいから、こっちを見てくれないか?」
静寂の中では、彼の低い声がよく響く。
背中を向けていたあたしは、しばらく躊躇していたけど…
「少しでいいんだ……」
普段とは違う緊張感を含んだ声に惹かれるように、そっと体の向きを変えて冬夜の方を見た。
すると、彼が安堵の笑みを零した。