群青の月
枕元のスタンドライトが、あたし達の顔を照らす。


オレンジの光が眩しくて少しだけ瞳を伏せると、冬夜が小さく吐いた息があたしの頭を撫でるようにフワリと当たった。


「俺ってさ……今、無職じゃん?」


わざとらしく明るい口調で前置きをした彼は、一呼吸してから続けた。


「柚葉と出会ったあの日……。俺、本当はたぶん、本気で死のうと思ってたんだと思う……」


低い声で静かに零されたのは、あの出会った日の事…。


突然そんな話になった事に少しだけ驚きながらも、あたしはただ黙って冬夜の話に耳を傾けた。


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