群青の月
今になって、改めて実感する。


あたし達はずっとお互いを利用し合っていただけなんだ、って事を…。


冬夜があたしを買った理由は今までわからなかったけど、それを知る必要性は無いと思っていた。


猜疑心を抱きながら過ごす事に苛立つ事もあったけど、今まではそんな事には興味が無かったから…。


それなのに…


家を飛び出したあの日からは、冬夜がどうしてここまであたしの面倒を見てくれるのかが、ずっと不思議だった。


そして、あたしはいつからか、その理由を知りたいと思うようになっていた。


だけど…


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