群青の月
◆Side‥冬夜
【Side‥冬夜】
「だから……柚葉がいてくれなかったら、俺はきっと……」
「もう、聞きたくないっ……!」
今まで声一つ漏らさずに黙っていた柚葉が、突然俺の言葉を遮った。
荒げるように吐き出された声が泣いているように聞こえたのは、ただの気のせいであって欲しいと思う。
「ごめん……。こんな話、つまらないよな……」
俺は、柚葉が今どんな気持ちでいるのかを知るのが恐くて、それを誤魔化す為に自嘲気味に笑った。
恐る恐る下げた視線の先の彼女は、何かを堪えるように目を閉じて唇をギュッと噛み締めていた。