群青の月
どうすればいいんだろうな……


心を開いて欲しい。


そこに隠した弱さを見せて、思い切り甘えて欲しい。


願うのはそんな事ばかりなのに、柚葉にそれを求めるのは無理なんだろうか…。


柚葉を守りたいからこそ、彼女の事を知りたいと思う。


だけど…


もしかしたら、それだって俺の自己満足でしか無いのかもしれない。


体はこの手で触れられる距離にあるのに、心に入り込む隙間は微塵も無い。


切なさに唇を噛み締めた俺は、心の中で悔しさや歯痒さに苛まれながらも、そのうち夢の中に落ちていった――…。


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